痛みの原因について
痛みの原因について
痛みの原因について、腰痛を例にして説明します。
一般的に腰痛で病院に行きますとレントゲンやMRIを撮影し、何が腰痛を引き起こしているのかを検査していきます。レントゲンであれば骨の変形がないか、MRIであれば椎間板の変形(ヘルニア)がないかを見ているわけです。しかし、それらに異常がなければ、大抵の場合、湿布を貼るか電気治療などが行われることになります。
例え、骨や椎間板の変形が見つかったとしても、はたしてそれらが痛みの原因なのでしょうか。
骨が先天的、あるいは後天的に変形することはあります。もし、その変形が原因であれば常に痛くなければおかしいのです。また、高齢になれば誰でも少なからず変形するものです。変形が原因であるなら、高齢者全員が痛みを感じていなければいけません。
椎間板の変形にしても、ある文献には腰痛のない人の76%で椎間板の変形が見られると報告されています。更に、ヘルニアとなっている部分を手術で取り除いても腰痛が治るとは限らないのです。こうしたことはお医者さんも承知していることです。つまり、骨や椎間板の変形があるからと言って、必ずしも腰痛が生じるわけではなく、現代医学の検査における矛盾点を示しているものの一つと思われます。
また、整体や他のカイロプラクティック等の治療院では、背骨や骨盤のゆがみや骨の可動性、筋肉の緊張を原因として説明することが多いようです。確かに腰痛のある方ではほとんどのケースでゆがみや筋肉の緊張が見られます。ゆがみが原因と言われればイメージもしやすいですし、テレビやマスコミでもそのような理由で取り上げられることが多いですから納得しがちになります。しかし、ゆがみや筋肉の緊張などは腰の痛みと同様に結果として現れたもので、原因ではありません。ですから、いくら緊張した筋肉をマッサージしたとしても一時的には筋肉における血流が回復されますから痛みは軽減するかもしれませんが、恐らくすぐにその緊張は戻ってしまいます。そして、何度も再発と治療を繰り返すことになってしまうのです。大事なことは、なぜゆがみや筋肉の緊張を引き起こすのかということです。
当院で施術者は、5年制のカイロプラクティックの専門大学を卒業しましたので、在学中には、上記と同様の教育を受けてきました。ですから、お医者さんの診方、考え方も承知しています。
しかし、上記のような捉え方では矛盾が生じるのです。同じような姿勢、体型、生活習慣でいても病気になる人とならない人がいます。統計でみても様々な症状を訴える方は、高齢者というよりも40代を中心とした30~50代の方に多く見られることがわかっています。このことは、構造的な異常に原因を求めることには相当な無理があることを示していると思われます。
では、腰痛の原因は何でしょうか?
それは筋肉のアンバランスつまりは神経系のアンバランスです。
筋肉が弛緩したところでは関節に負荷がかかり腱の痛みから関節痛になります。(機械的刺激による発痛)
また、筋肉が緊張したところでは血流障害が起きて組織の酸素欠乏となり、発痛物質が産生されて、痛みの神経が過敏になります。(化学的刺激による発痛)
しかし、こうした筋肉のアンバランスを起こすには、更に深い根本原因が考えられます。
それは大きく分けて以下の3種類があります。
機械的ストレス(同じ姿勢・長時間労働・単純作業・反復作業・外傷)
生化学的ストレス(食物や環境アレルギー・栄養欠陥・毒)
心理的ストレス(感情的しこり・対人関係・先行き不安・過去の出来事)
これら3種類のストレスの組み合わせが痛みの原因となっています。
こうした原因に対してアプローチすることで、早く改善し、しかも再発しにくくすることができると考えます。